
HSPさんがすぐ泣くのはどうして?

感情の処理を行う脳の部位が活発に働いているからだよ!
前半では、HSPさんがすぐ泣いてしまう理由について解説します。
後半では、泣くことで得られる具体的な効果4選を紹介していきますよ!

HSPがすぐ泣いてしまうのはどうして?

HSPがすぐ泣いてしまうのはどうして?について解説します。
HSPさんは、生まれつき「感覚処理感受性(sensory processing sensitivity)」が高いと言われています。
これは、心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念で、外からの刺激に対して深く反応する性質のことなんです。
例えば、
- 人の表情のちょっとした変化
- 言葉の裏にある気持ちにすぐ気づいてしまう
ため感情を大きく揺さぶられやすいんです。
その結果、怒られたときだけでなく、感動したり、誰かの優しさに触れたりした瞬間にも涙が出てしまうことがあります。
脳科学的には、HSPさんの扁桃体(へんとうたい)が活性化しやすい傾向にあるとされています(Acevedo et al., 2014)。

扁桃体は不安や恐れ、感情の処理を行う脳の部位で、ここが敏感なために涙が出やすくなるんです。
また、
- 「泣くのは恥ずかしい」
- 「大人なのに」
と考えることで、さらにストレスがかかり涙が止まらなくなることもあります。
でも、涙はあなたが感情に正直な証拠であり、心を守るための自然な反応なんです。
実際、涙を流すことにはストレス物質のコルチゾールを減らす効果があることが研究で示されています(Frey, 1985)。

だから、涙を無理に止めようとせず「今、あなたの心が動いたんだな」とやさしく受けとめることが大切
泣くのは“心が正常に働いている”証拠

泣くのは“心が正常に働いている”証拠を解説します。
HSPさんが涙を流しやすいのは、感情を正しくキャッチできている証。
例えば、怒られたときやつらい言葉を聞いたときに涙が出るのは、あなたの心が「これはつらいよ」と自然に反応してくれているからなんです。

泣くことは感情のバランスを保つ大切な働きであり、決して“おかしなこと”ではないんです。
心理学者アド・ヴィンガーフーツ(Ad Vingerhoets)氏の研究によれば、感情による涙はストレスホルモンの排出を助けるという結果が出ており、涙は心身の回復の一部だとわかっています。
つまり、泣くという行動は、あなたの心が「正常に処理を行っている」からこそ起きる自然なこと。
また、涙を流したあとに少しスッキリした気分になることはありませんか?

それは、副交感神経が優位になり、リラックス状態に入った証拠なんです。
無理に感情を押し込めるより、涙を通して気持ちを出せた方が、心の健康にはいい影響があります。
だからこそ、「泣いてしまう自分はダメだ」と責めるのではなく、「ちゃんと心が働いてくれてるんだな」と思ってあげてください。
あなたの涙は、あなたが壊れている証ではなく、ちゃんと“感じる力”を持っている証なんです。
心がラクになる3つのセルフケア

心がラクになる3つのセルフケアについて解説します。
- やさしい言葉を声に出す
- “副交感神経”を整える
- ジャーナリングをする
1つずつ見ていきましょう。
1.やさしい言葉を声に出す
HSPさんは、感情の波を深く感じやすいからこそ、涙のあとに「また泣いてしまった…」と落ち込んでしまうことがあるんです。
そんなときは、心の中でやさしい言葉をかけるのではなく、あえて声に出してみてください。
- 「よく頑張ったね」
- 「悲しかったね」
など、あなたが言ってほしい言葉を、あなた自身が口にすることが効果的。
心理学でも、セルフ・コンパッション(自己への思いやり)はストレス緩和に有効であるとされています(Neff, 2003)。
言葉は心の環境を整える力があるから、あなたの声であなたを癒すことは、思っている以上に効果があるんです。

「泣いたあなたも大切な存在だよ」と、やさしく伝えてあげてください。

その瞬間から、少しずつ心がほぐれていくよ
2.“副交感神経”を整える
涙を流すと、身体は交感神経優位(緊張)から副交感神経優位(リラックス)に切り替わりやすくなります。
このリズムをサポートするためには、ぬるめのお風呂(38〜40℃)にゆっくり浸かったり、白湯を少しずつ飲むのが効果的なんです。
これは、身体の緊張をやわらげることで、心の緊張もほぐれやすくなるため。
自律神経研究の第一人者・小林弘幸教授も、「ぬるま湯は自律神経の安定に役立つ」と述べています。

また、何も考えずにただ温もりを感じる時間は、HSPさんの繊細な神経をリセットしてくれる時間にもなります。

五感をやさしく包むセルフケアとして、毎日の習慣に取り入れてみてね
3.ジャーナリングをする
泣いたあとの心は、ちょっと混乱していることが多いんです。
だからこそ、ノートに気持ちを書き出すという“ジャーナリング”が有効。
たとえば
- 「何がつらかったのか」
- 「どうして涙が出たのか」
- 「本当はどうしたかったのか」
を自由に書いてみてください。
書くことで、頭の中のモヤモヤが整理されて、「あ、私はこんなに感じていたんだ」と気づけるんです。
これは感情の“客観視”につながり、自己理解と心の回復を助けるといわれています(Pennebaker, 1997)。

あなたの感情は間違っていないし、言葉にすることで安心へと変わっていくんです。

泣いたあとの「余白の時間」に、ぜひ取り入れてみてね!
涙と脳科学のつながり3選

涙と脳科学のつながり3選を紹介します。
- 涙は「感情処理」を助ける
- 癒しのホルモンが出る
- 脳がリセットされる
1つずつ見ていきましょう。
1.涙は「感情処理」を助ける
涙はただの水分ではなく、感情を処理する脳の働きと深く関係しているんです。
感情をつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」が強く反応すると、涙腺を刺激して涙が出る仕組みがあります。
つまり、涙はあなたの脳が
- 「つらい」
- 「うれしい」
- 「悲しい」
という気持ちを受け止め、処理している証拠なんです。
脳科学者の村上宣寛教授も「涙は感情のリセット機能を持つ」と語っています。
泣くことによって、脳がストレス反応を軽減しようとしているとも言われているんです。
だから、HSPさんが涙を流すのは、心が繊細に反応しているだけでなく、脳が正常に働いている証拠。

「涙が出る=弱い」と考える必要はまったくありません。

それは、脳と心がうまく連動している自然な反応なんだよ
2.癒しのホルモンが出る
涙には、オキシトシンという“癒しホルモン”の分泌を促す効果があると言われています。
オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、不安やストレスをやわらげ、心を落ち着かせる作用があるんです。
特にHSPさんは、人の表情や言葉に敏感であるぶん、感情が高ぶると涙が出やすい傾向が。

その涙を通して、オキシトシンが分泌されると、自然と心が少しずつ落ち着いてくるんです。
これは、ただ気持ちを表すだけでなく、「生理的な回復」の役割も果たしているんですよ。
つまり、涙はあなたの心と身体を“自己修復”するためのサイン。
無理に泣くのを止めなくてもいいんです。

涙は、あなたを癒すために必要なものなんだよ
3.脳がリセットされる
「泣いたあとはなぜかスッキリする」と感じたことはありませんか?
これは、脳が涙を通じて“情動の調整”をしているから。
感情が強くなると、自律神経が乱れて身体が緊張状態になりますが、涙を流すことで副交感神経が優位になり、心が落ち着いてくるんです。

また、涙によって脳内にたまったストレス物質(コルチゾール)が軽減されると考えられています。
実際、心理学者のウィリアム・フレイ博士の研究でも「感情による涙を流すことでストレスが減少する」という結果が示されています。
HSPさんのように感受性の高い方にとって、涙は脳の“感情整理スイッチ”のようなもの。
だから、涙のあとは心がリセットされる感覚があるんです。

それは、あなたが心と脳をしっかり整えている証拠なんだよ!
泣くことで得られる具体的な効果4

泣くことで得られる具体的な効果4つを解説します。
- ストレスホルモンが減って心が落ち着く
- 副交感神経が優位になりリラックスできる
- 感情を言語化しやすくなる
- 自己肯定感を取り戻すきっかけになる
1つずつ見ていきましょう。
1.ストレスホルモンが減って心が落ち着く
涙を流すことで、ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が減るといわれています。
これはアメリカの生化学者ウィリアム・フレイ博士の研究によって明らかにされました。
HSPさんは感受性が高く、日々の些細な刺激でも強いストレスを感じやすい傾向があるんです。

そんなとき、涙を流すことは“心のデトックス”につながります。
涙は、あなたの心を浄化し、脳と身体の緊張をやわらげてくれる働きをしてくれるんです。

だから、我慢せずに泣くことは、ストレス対策としてとても有効なんだよ!
2.副交感神経が優位になりリラックスできる
泣くことで交感神経から副交感神経に切り替わり、心と身体がリラックスしやすくなります。
副交感神経は、休息や回復をつかさどる自律神経の一つで、HSPさんが疲れを感じたときに大切な存在。
涙を流したあとに
- 「なんとなく眠くなった」
- 「安心した」
という経験がある方も多いはずです。
それは、副交感神経が働いて、身体全体がリラックスモードに切り替わっているサインなんです。
涙は、心だけでなく身体のバランスも整えてくれる、自然な調整機能なんですよ。
3.感情を言語化しやすくなる
涙を流すことで、あなたの心の中にあった「名前のない感情」が表に出やすくなります。
これは心理学で「情動のラベリング」と呼ばれる働きによるもの。
HSPさんは多くの感情を細やかに感じ取るぶん、整理しきれずに苦しくなってしまうこともありますよね。
そんなとき、涙が感情の出口になることで、
- 「悲しい」
- 「悔しい」
- 「さみしい」
などの気持ちに気づけるようになるんです。
感情に名前をつけることで、心の負担はぐっと軽くなると、心理学者のマシュー・リーバーマン氏も指摘しています。
つまり、涙はあなたが自分の気持ちを理解するための、優しいサポーターなんです。
4.自己肯定感を取り戻すきっかけに
泣くことで、「つらいのはあなたのせいじゃない」と心が伝えてくれるような感覚になることがあります。
特にHSPさんは、つい
- 「頑張らなきゃ」
- 「迷惑をかけたくない」
と自分を責めてしまいやすいんです。
そんなときに流れる涙は、「もう無理して頑張らなくていいよ」という内なるメッセージ。
涙をきっかけに、自分をいたわる気持ちが芽生えると、少しずつ自己肯定感も回復していくんですよね。

涙はあなたの心からのSOSであり、優しさでもあるんです。
その涙に気づいてあげることが、あなたを大切にする一歩になるんですよ。
泣きやすさを“強み”に変えるヒント4選

泣きやすさを“強み”に変えるヒント4選を紹介します。
- 人の痛みがわかる力に
- 「自己理解力」の証拠
- 人に安心感を与えるコミュニケーション
- 「心の回復力」が高い
1つずつ解説します。
1.人の痛みがわかる力に
HSPさんが涙を流しやすいのは、他人の感情を深く感じ取る「共感力」が高いからなんです。
この共感力は、人間関係や支援職でとても役立つ力として注目されています。
心理学者ポール・エクマン博士の研究によれば、涙は他人の共感を呼ぶ非言語的サインとも言われているんです。

つまり、あなたが泣けるということは「他人の痛みに寄り添える才能」があるということ。
共感できる人は、信頼されやすく、安心を与える存在になれるんです。
泣きやすさは、やさしさを人に届ける力になるんですよ。
2.「自己理解力」の証拠
涙は、心が「今の状態」を伝えようとしているサイン。
HSPさんはそのサインを敏感にキャッチできる、繊細で誠実な感受性を持っているんです。
感情を押し込めず、ちゃんと感じることができるのは、「自己理解力が高い」証拠。

カウンセリングの世界でも「感情を感じられる人ほど回復が早い」といわれています。
泣くことは、自分の心に素直であることなんです。
この素直さは、自分を守る力であり、他人との信頼を深める鍵にもなるんですよ!
3.人に安心感を与えるコミュニケーション
実は、涙を見たときに「この人は信用できる」と感じる人も多いんです。
スタンフォード大学の研究では、涙を流す人は“誠実さ”や“信頼感”を相手に伝えることができるとされています。
HSPさんの泣きやすさは、誤解されやすい一面もあるかもしれませんが、見方を変えれば“信頼を生む力”に。

あなたが泣くことで、相手も心を開き、素直になってくれることもあるんです。
涙は人と人との間に“あたたかさ”を生むコミュニケーション。

だから泣くことを恥ずかしく思わなくて大丈夫!
4.「心の回復力」が高い
泣いたあとに「少しラクになった」と感じた経験はありませんか?
涙を流すことは「感情を外に出す=解放する」働きがあるんです。
心理学では「カタルシス効果」と呼ばれており、これは感情の浄化作用なんです。

HSPさんはこの効果を自然に引き出せる感性を持っているから、回復のスピードも早い傾向があります。
つまり、あなたの涙は「心の自然治癒力」を引き出す力にもなっているんですよ!

泣いたことは、回復への第一歩に◎
HSPのよくある質問

HSPのよくある質問をまとめました。
- ぬいぐるみを手放せない
- ストレスが溜まる
- 飲み会が苦手
- LINEあるある
- HSPと相性が悪い人
1つずつ見ていきましょう。
ぬいぐるみを手放せない
「大人になってもぬいぐるみを手放せないっておかしいですか?」という相談。

全然!

ぬいぐるみセラピーがあるほど、ぬいぐるみは人を癒す力を持っているんですよ!
ストレスが溜まる
「ストレスが溜まっているので、おすすめの解消法を教えてください!」という相談。

ゆるストレスケアを紹介しています。

7つ取り上げていますよ!
飲み会が苦手
「飲み会が苦手です」という相談。

そう感じること多いよね

実体験から解説しています!
LINEあるある
「LINEあるあるをおしえてください」という相談。

まとめをつくっているよ!

8つにまとめています。
HSPと相性が悪い人
「HSPと相性が悪い人を教えてください」という相談。

知っておいて損はないよ!

相性がいい人の共通点を6つ紹介しています。
HSPの私・体験談

HSPの私・体験談を紹介します。
- すぐ泣く
- 大切なことを教えているサイン
- 涙は我慢しない
あなたの励みなったらうれしいです。
すぐ泣く
なにかきついことがあったり、ストレスを溜め込みすぎると涙として出てきます。
最近は、そういうことがなくなってきたのでいいのですが、ストレスが多すぎる職場にいるときはかなりきつかったですね。
ストレス値を涙で測るほどでした。
大切なことを教えているサイン
涙は「自分の気持ちを深く知るチャンス」と捉えられるようになってから、前向きに考えられるようになりました。
涙が出てきた時は
- あぁ、つらかったんだな
- あぁ、悔しかったんだな
このように、感情を受けとめるようにしています。
涙は我慢しない
感情を抑える、「過剰適応」をするとどうなるか?
私は、教員時代のラストの年に適応障害になりました。
その経験から、過度に感情を抑えていいことは絶対にないと確信しています。

あなたのその涙は、あなたの心を反映させています。

何かを教えてくれているサインだと学びになるね